なぜオーガニック?有機野菜や無添加食品の成り立ちと歴史をご紹介!

有機・オーガニックの歴史・農薬や添加物の真実2

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有機・オーガニックの歴史・農薬や添加物の真実2

オーガニック・有機と聞くと、野菜や加工品などといった「食品」をイメージする方が多いかと思いますが、実は、食だけではなく、衣料品や化粧品なども含む、幅広いジャンルを指します。

かつては、農産業は、自然の力を最大限活かした、持続可能なものであり、人にも環境にも優しいものでしたが、大量生産の今、生態系の破壊、環境汚染、人間の身体に健康被害が及ぶなど、難しい時代が訪れました。

そんな中、現在全世界で、従来型の農産業に戻り、人間の身体と環境を守ろう!といったオーガニックの傾向が強まっています。

そもそもなぜ従来の農業・産業が工業的なものへと変化してしまったのか?それから、なぜそこからオーガニック思考が発生したのか?なぜ今の世界にオーガニックが必要なのか?オーガニックの成り立ちの歴史をご紹介します!

そもそも農薬とは?なぜ危険なの?

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農薬は、農産物を病気や虫、菌から守る薬剤「殺虫剤」、「殺菌剤」、「除草剤」を意味します。

従来の農業では、農薬が一切使われていない、といったわけではありませんでしたが、生産の過程で誕生した、牛糞や鶏糞、枯葉など、天然由来で、サステナブルな堆肥(有機肥料)のみ使用されていました。これらは、化学農薬より効果が弱く、農家さんが手作業で虫取りをするなど、大きな労力を要するものとなっていました。

ただ、生産効率が高くないことから、大量生産が強いられる時代が訪れたところで、「化学農薬」が誕生したのです。

最大の悪は農薬と合成界面活性剤

なぜ化学農薬がよくないのか?化学農薬は、人間の身体に影響を及ぼし、環境汚染に繋がる大きな要因となっています。

これらは、環境ホルモンと呼ばれる物質を含んでおり、成長ホルモン、甲状腺ホルモン、インシュリン、女性ホルモン(エストロジェン)、男性ホルモン(アンドロジェン)などに影響を与え、身体のバランスを崩すことがわかっています。男性の精子の減少や妊娠中、胎児の奇形や性発達の異常を及ぼすことが報告されています。

また、農薬だけではなく、化粧品や洗剤などに使われている界面活性剤も環境ホルモンを含んでいます。

従い、口から入るものだけではなく、生活用品にも気をつける必要があるということです。

また、農薬は、人間の身体に影響を与えるだけではなく、環境汚染に繋がります。土に蓄積された農薬はその後下の層へと移管し、最終的には地下水に滲み、水の汚染を引き起こします。

初めて農薬が使用されたのは1700年代

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現在、一般的にどの農家さんでも使われている、有機質ではない「化学農薬」の初めての使用は1700年代のヨーロッパが最初になりました。初めて、殺虫剤が使われたのです。

その後、1800年代にフランスでボルドー液と呼ばれる殺虫剤が開発・使用されるようになり、日本では、1900年代に国産初の農薬製造工場が誕生しました。

このように、全世界で、新しい、より安価で生産効率が圧倒的に高い化学的な農薬が開発されるようになったのです。

なお、特に、世界が大きく変わったのは第二次世界大戦後の話。第二次世界大戦が終わり、人口が急減に増え始めたことから、食糧の安定的・効率的な生産が求められるようになり、無駄なく、一つでも多くの農産物が作られるよう、農薬の大量生産・大量使用が盛んになりました。

1913年、ドイツで、アンモニアと呼ばれる合成法が開発され、その後、農薬の大量生産が急激に急速化し、有機質農薬の代わりに頻繁に化学農薬が使われるようになりました。

追って農薬が健康被害や環境汚染に繋がっていることが判明

当初は、健康や環境への被害は注目されていませんでした。

しかし、1957年より数年に渡り使用されていた除草剤「PCP」が原因となった魚の大量死が社会問題となったことから、化学農薬が環境汚染を引き起こすことが広く知られるようになりました。

その後、健康被害や環境汚染の事例は絶えず発生してきていますが・・・いくつかの著書で大々的にピックアップされるなど、人々の意識改革がスタートしていきました。

・「沈黙の春(サイレント・スプリング)」、レイチェル・カールソン作、1962年:農薬の危険性を初めて世に申告した

・「苦海浄土」、石牟礼道子作、1962年:水俣病の発症の原因が、熊本県水俣市にある窒素水俣工場が出たメチル水源が海水を汚染し、そちらに位置していた魚を人々が食べことであると報告

・「複合汚染」、有吉佐和子作、1974年:化学農薬、化学肥料、合成界面活性剤、合成保存料、合成着色料の危険性を訴えた

・「奪われし未来」、シーア・コルボーン作、1996年:有害化学物質の中でも毒性が強い環境ホルモンが人間のホルモンに悪影響を与えることを指摘

生産効率さえよければいい!といった経営者の考え方が60年代より大きく疑われるようになったのです。

早くも、1946年にイギリスでオーガニック機関「英国土壌学会」が設立され、その後、各国で同様の組織が誕生し始め、1972年にはオーガニック国際機関IFOAM(国際有機農業連盟)が活動をスタートしました。

1999年にはCODEX委員会が国際的なオーガニック基準「コーデックス有機ガイドライン」を作成し、現在ではこちらが、食品の安全性や残留農薬を管理する世界最高の基準となっています。こちらの規格に沿っていないと、生産物を海外輸出できないなど、生産者はしっかりと遵守する必要があるのです。

日本では、2001年にオーガニック農産物の規格「有機JAS」が導入されました。有機JAA法は農産物だけではなく、衣類や化粧品などにも普及しています。

オーガニックガイドラインができたおかげで商品の信頼度が高まった

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「無農薬」や「無添加」など、商品ラベルに記載のある文言は、誰がその原料や作り方を保証しているのでしょうか?

有機産物の生産者は、先ほどお伝えした「コーデックス有機ガイドライン」に沿って商品を作っていますが、原料と行程は自己申告ではなく、第三者であるチェック機関「有機JASの登録認定機関」が監査と審査をします。こちらを、「第三者認証」と呼びます。

有機JASの登録認定機関のチェックに合格した商品のみ「有機」・「オーガニック」のマークを表示することができます。

どこの誰が作ったもので、本当にオーガニックなのか?の心配がいらず、消費者は安心して商品を選ぶことができます。

まとめ

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1900年代から今に至り、わずか100年ちょっとの間、環境汚染と健康被害は以前より何百倍もの速度とインパクトで加速していきました。

この傾向が続くと、50年後の世界はどうなっているのでしょうか?我々が死ぬ間際になる頃には、地球や人間はどうなっているのでしょうか?そもそも、人間が住める環境になっているのでしょうか?

次世代のことを考えると、今私たちが、何を選ぶのか、どう生きるのか、をしっかり考えぬく必要があるのです。

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