なぜ農薬は危険なのか?有機野菜の強みを徹底解説!
私たちが日頃当たり前のように食べている野菜には残留農薬が存在しています。
農薬が体によくないだろうということは何となくわかるけど、どれぐらいの危険性なのか?について知っている人は数少ないのが現状です。
本記事では、オーガニックアドバイザーと野菜ソムリエの資格を持つ私が、農薬の怖い話を、学術的な難しい要素はなるべく省きながら、易しく解説します!
・なぜ農薬は毒なのか?
・農薬を大量摂取すると人間はどうなるのか?
・どうすれば生活から農薬を排除できるのか?
・安全な野菜の選び方
・野菜の残留農薬の落とし方
こちらについて詳しくご説明をします。
もくじ
農薬の害はここにある!
農薬とはそもそも何なのか?
・野菜や果物が病気にかかりにくくする
・昆虫・菌・植物などを防ぐ
このような目的で使用される薬剤のことで、殺虫剤、除草剤、殺菌剤などの総称です。
かつての農業は、農家さんが手作業で虫や病原菌を駆除しており、家畜のたい肥、もみ殻、作物残さなどを使った天然由来の農薬以外は一切使われていませんでした。
ところが、第二次世界大戦後の時代、一時的に人口が減ってから再度人口爆発が起き、世界中の国の再生に由来する大量生産のニーズにより、農業の形も変わってきました。作物の大量生産と生産の効率化が求められ、そこで、人間が合成した化学物質「化学合成農薬」が開発されたのです。化学合成農薬は、天然由来の農薬よりも圧倒的に効果が高く、一瞬で世界中に普及しました。
しかし当時はまだ化学合成農薬の人間への害については研究がなされていませんでした。やっとここ数十年前より、農薬の危険性が浮き彫りになってきたのです。
大手の生産会社は、「生産を効率化する」と「生産コストを下げる」のこの2つを追い求めて、手軽に使用ができる「有害化学物質」を生み出しました。有害化学物質のうちの一つであるのが、化学合成農薬に使われているDDTという成分です。これらは、
・自然環境の中で分解されづらい
・お大気や海水の循環により地球をぐるぐる回っている
・人間の体内に圧縮・蓄積する
このような性質を持っています。
従い、一度生産され、使われた農薬は、土に残留農薬として、また人間の体内に蓄積物として残ってしまい、なかなか取り除くことが難しいのです。
農薬のDDTには、人間の体の入ると、ホルモン異常を引き起こす「環境ホルモン」の物質を多く含んでいます。この環境ホルモンは、発癌性、神経障害、免疫毒性、ホルモン異常を引き起こすことが研究結果でわかっています。
環境ホルモンは、脂肪に溶けやすく、人間の脂肪組織に濃縮されやすいため、特に、脂肪を蓄えやすい妊婦さんと授乳をしているママさんの母乳を介した赤ちゃんへの影響が大きいと言われています。
人間への害はもちろん、野生生物や環境にも被害がもたらされています。これまでバランスよく自然界で生きていた微生物や虫たちが殺虫され、食物連鎖が壊れつつあります。また、土の残留農薬が地下水や川に流れ、水汚染を引き起こしています。
こんな中、50年〜100年後、私たちの子供や孫たちがどのような世界に生きるのか、不安になってしまいますよね!><
日本は農薬使用量が世界3位の農薬大国である!
あまり広くは知られていませんが、日本は農薬使用量が世界で3番目に高いです。
(引用元)農薬工業会データ
https://www.jcpa.or.jp/qa/a6_06.html
農林水産省は「人間の体に害をもたらさない範囲内で使われいるため問題はない」と主張し、世界各国と比較すると農薬使用基準をゆるく設定していますが、正直、私はこの「害をもたらさない範囲内」については信用ができません><
農薬摂取量が増えるとともに、先ほどお伝えした癌や神経関係の病気が増加経過にあります。日本人の現在の癌発症率は3人に1人であり、死亡率は米国の1.6倍、精神病院の数は世界一多く、自殺率は世界で13位と、驚くべき結果が出ています。これを「正常な範囲内だ」と言われているようなものです。
今の世の中では、正しい情報を自分で見つけ、自分で判断をする必要性が出てきました。政府のルールに則ってるから大丈夫!そのような考えはすぐに捨てていいでしょう。
ちなみに、なぜ日本はここまでたくさん農薬を使っているのか?その背景にはいくつかの要因があります。
・日本の農協の企画が厳しい
→少しでも形が崩れていたり、大きさが異なった作物は販売できない
・畑の面積が少ない
→70%の面積を山で覆われている日本は、世界各国と比べて畑の面積が少なく、その分生産性が求められる
・日本の消費者が綺麗な野菜を求めてしまう
→虫食いや変色した野菜への消費者のイメージが悪い
・海外では農薬の害に関する報告書が広く公開されているが、日本では情報が少ない
→海外と比べて日本人の消費者は意識が薄い
・欧米では政府による有機農家さんの資金援助が盛ん
→日本では有機農業は割高になり、儲からない
確かに、この背景を見ると、頷けるところはありますよね!ただし、だからと言って農薬大国の現状を受け入れる=自らの身体を壊すといったことをする必要はありません。
では、どのように農薬の害から身を守ることができるのでしょうか?次の章でご紹介します!
農薬から身を守るためには?
農薬を生活から配慮することは実はさほど難しいことではありません。鍵は、「正しい知識を持つこと」のみ!ここで意味する「正しい知識」とは、野菜・果物選びを間違えないことにあります。
現在、日本で購入できる野菜は以下5種類となります。
野菜の種類 | 特徴 | 安全性 |
---|---|---|
慣行栽培野菜(一般野菜) | 農林水産省が設定した範囲内の量で農薬を散布している | × |
特別栽培野菜 | 慣行栽培野菜と比べて農薬量を半分に抑えて栽培された野菜。「半分」の基準は県ごとに異なる。 | △ |
無農薬野菜 | 化学合成農薬を使用せずに栽培された野菜。ただし、作物の栄養となる肥料には、化学合成物質使用可能。 | △ |
有機栽培(オーガニック) | 国際的な有機JAS規格のルールに沿って、化学合成農薬・化学合成肥料一切不使用 | ◎ |
自然栽培野菜 | 化学合成農薬・化学合成肥料は不使用であるが、有機栽培の野菜のように認定機関がないため、不正が起こりうる。農家さんへの信用が求められる。 | ◯ |
農薬の使用量を気にして選ぶということであれば、間違いなく「有機野菜(オーガニック野菜)」を選択するといいでしょう!
有機野菜は、慣行栽培の野菜を比較して、以下のようなメリットがあります。
・安全性が高い
・味が美味しい
・栄養価が高い
野菜は、化学農薬と化学肥料を使用することで、野菜の味と栄養価が圧倒的に落ちます。野菜は、三大栄養素である窒素、リン、カリがあれば育つと言われており、慣行栽培の野菜はこちらのみ含んでいますが、有機野菜には三大栄養素以外にも、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、鉄、ミネラルなどが豊富に入っています。
栄養価で言うと、1日に推奨されている野菜の摂取量350gは、有機野菜であればその半分で十分^^
複雑な栄養素構成が味の美味しさにも響きます。慣行栽培の野菜が多く含んでいる有害成分「硝酸」の値が低く、そのため、えぐみが少なく、すっきりした味わいになります。また、深みと雑味が特徴的です。実際に普通の野菜と有機野菜を食べ比べてみると、味が全然違うということがわかります!
いかがですか?味覚も栄養価もからっぽな慣行栽培野菜を食べるより、有機野菜を食べたほうが断然いいでしょう?^^
問題は、有機野菜が購入できる場所が少ないこと。一部の意識高い系スーパー(成城石井、いなげや、イオン)では「有機野菜プチコーナー」として少量ですが置いてあることがあります。また、オーガニックに特化した小型のお店を利用するのもいいですね。その中でも、私が最もおすすめするのは有機野菜宅配サービス。日本には現在20社を超える有機野菜宅配サービスが存在します。自宅まで届けてくれるためとても便利。
私がこれまで試した有機野菜宅配サービスのランキングはコチラ!↓
人気・おすすめの有機野菜宅配サービス15選
各社、初回限定利用のキャンペーンとして、お試しセットをお得な値段(1,000〜2,000円)で提供しているため、これから有機野菜を生活に取り入れていきたい人は試してみる価値があります。
野菜の残留農薬の対処方法
とは言っても、有機野菜にはデメリットも!購入できる場所が少ないだけではなく、もう一つ、値段が高いという点です。だいたい、一般の野菜の1.5倍〜2倍と考えていいでしょう。
できれば有機野菜を取り入れたいけど、家計的になかなか難しい・・・そんな方は、慣行栽培の野菜の正しい取り扱い方法を学べば大丈夫。キーは「洗い方」にあります!残留農薬は、100%ではありませんが、ある程度であれば、しっかり洗うことによって取り除くことができます。
主な方法は5つ!
方法 | 効果 |
---|---|
皮を剥く | ◯ |
しっかり水で洗う | ◯ |
重曹、塩水、酢水を使って洗う | ◎ |
茹でる・加熱する | ◯ |
野菜洗い洗剤を使って洗う | △ |
オゾン水を使って洗う | ◎ |
① 皮を剥く
農薬の多くは、野菜の外側部分、いわゆる皮部分に蓄積されています。その皮を取っちゃえばその一部を取り除けるということです。ただし、同時に、皮は野菜の栄養素が最も濃縮されている部位でもあります。従い、肝心な皮部分を取ってしまうとせっかくの野菜の栄養価が低くなってしまうので、個人的にはさほどおすすめしない方法です。
② しっかりと水で洗う
多くの農薬は「水溶性」であるため、水に溶けやすい性質を持っています。つまりは、水をかけると、表面の農薬が取れて、水と一緒に流れてくれます。手だけではなく、スポンジでしっかりとこするとより効果的です。
ただし、100%取れるというわけではなく、また、すべての農薬が「水溶性」なではないため、効果はさほど高くはないです。
③ 重曹、塩水、酢水を使って洗う
大きめのボウルに野菜、水、重曹/塩/酢のいずれかを一定量入れて数分放置すれば、水で洗うだけと比べると効果的に農薬を洗い流すことができます。
※重曹は、必ず「食用」を選ぶようにしましょう。
手軽にできて、効果も、水だけよりかは高いため、個人的にはno.1のおすすめの方法です。
④ 茹でる・加熱する
熱を加えることで野菜についている薬剤や菌の多くが落ちてくれます。こちらも、効果は水洗いより遥かに優れています。ただし、加熱することにより野菜の栄養価が大幅に落ちたり(例えば、ほうれん草を1分茹でると栄養価は半分になります!)、味が変わってしまったりと、デメリットも多いです。
⑤ 野菜洗い洗剤を使って洗う
現在、日本の市場には数多くの野菜洗い用の洗剤が出回っています。成分は、メーカーにもよりますが、純粋水とカリウムの組み合わせなど、安全性が高く、農薬の除去だけではなく、アク抜きや鮮度保持、台所の掃除にも使えます。
私も、一度、「ベジセーフ」という商品を使って実験をしてみたことがあります。
スプレータイプの野菜洗い洗剤です↓
実験の対象にしたのはミニトマト。
10回ほどスプレーをシュッシュ↓
ベジセーフを使って洗ってみたら、茶色い水がこんなに出てきた!農薬が取れた!すごい!と喜んでいたところ、普通の水で洗ってみた時にも同じような茶色い不思議な何かが出ました(笑)。
結論から言うと、体験を通じた実感が湧かず、またメーカーが主張する根拠が怪しい・・・というところで、使用を断念しました。
⑥ オゾン水を使って洗う
オゾン水は、殺菌作用がとても高い「オゾン」を普通の水に溶かした水です。農薬を洗い流した後は、酸素に変換されるため、安全性も高いです。農薬だけではなく、ウイルスの除菌や殺菌効果もあるため、キッチン周りの除菌・洗浄も同時にできます。
公式な研究結果などを見ると、効果について根拠がしっかり認められているので、方法としては◎です。
オゾン水ってどこで買えるの?といった質問が真っ先に出てきますが、普通の水感覚で、ペットボトルで売っているわけではありません。専用の、オゾン水を生成してくれる機械を購入する必要があります。メーカーにもよりますが、安いので3万円〜高いので7万円程度と、かなりの初期投資が必要になります。
オゾン水生成機器↓
ここまでするのか?についてはご自身で考えてみてくださいね(笑)。
まとめ
本記事を通じて、農薬の危険性や有機野菜のメリットについて少しでもおわかりになっていただけたと嬉しく思います。
自分と家族の健康を守るのは自分自身でしかできません。数多くの情報が散乱している今の世の中では、正しい情報を見極めて、それを元に行動することが求められています。
次回は、「添加物の害」についての記事をアップしていきます!ぜひこちらにも目を通していただければ幸いです!