キヌアは、南米を中心に栽培されている雑穀であり、お米や小麦と比較して、高い栄養価・低糖質・グルテンフリーなどの優れた特徴を備えています。
その機能性は、国連やアメリカ航空宇宙局NASAも認めるスーパーフード!世界中のセレブも愛用するなど、欧米では現在大人気を占めています。
日本ではまださほど馴染みがない食材ではありますが、最近になって、一般スーパーでも買えるようになってくるまできたので、大ブームも間近まできてるかも?
私は、約2年前からキヌアを3日に一度ほどの頻度で定期的に食べています。そのおかげもあるのか?数年前より、胃や肌の調子が大幅に改善したと感じています。
そんな、キヌアの大ファン&ヘビーユーザーであるブロガーがキヌアの良さとおすすめレシピを実体験を元に熱く語りました!
氏名:秋本マグダレナ
ポーランド出身。
一児の母であり、働くママ。
野菜ソムリエ、オーガニックアドバイザー、食育実践アドバイザーなどの資格持ち。
有機野菜と無添加食品を中心に、健康的な食生活や世界で起きている食のトレンドについて情報を発信中。
目次
キヌアの歴史編〜所属や起源
キヌアについて、その名前を初めて聞いた方や耳にしたことはあるけど、何なのかがいまいちわからない・・・そんな方向けに、キヌアとは何者?どんな歴史があるの?について、コンパクトにまとめます。
キヌアは、ちょっと難しい植物の分類であり、ヒユ科アカザ亜科アカザ属に属しています。
わかりやすくイメージすると、あの米・小麦・とうもろこしなどの親族ということです。これらは穀物の分類に入りますが、キヌアは穀物に極めて近い擬穀類(ギコクルイ)に入ります。
このような見た目の植物です↓
お花のような、ちっちゃな種子が集まっていることがわかりますね。この種たちを収穫して→外の皮を剥いて→乾燥させるまたはローストさせると、食用のキヌアが完成するというわけです。
こんな感じの小さな粒々が特徴です↓
キヌアは品種が多く存在し、主には、白・赤・紫・黄に分けられます。
比較的に多く製造されているのが白↓
また、中には、全ての色をミックスしたものもあります↓
キヌアは生では食べることができず、茹でてから料理に使われます。硬い米粒のようなキヌアが、加熱をすることで3倍ほどに膨らみ、ぷりっとしたプチプチ食感となります。
茹でた後はこんな感じに、お米のようにふっくらします↓
原産地は南米のボリビア
キヌアは、日本人がお米を発見したはるか以前も前から存在した、超スーパーハイパー歴史あり植物です。
その誕生は、紀元前7000年〜5000年と推測されており、南米アンデス山脈のアルティプラーノという名所(今で言うボリビア内)で食べられていました。
紀元前4,000年〜3,000年くらいになると、地元での収穫だけではなく、より規模を拡大した栽培が始まりました。
栄養価が優れていることから、インカ文明では、聖なる食品として扱われ、「チソヤママ」=「母なる穀物」と呼ばれていました。
キヌアは、寒く、雨が多い地域でも栽培ができるとのことで、非常に育てやすい食物に分類されています。そのことから、現在では、ボリビア・エクアドル・ペルーなどの南米の国がまだ中心となっているものの、その他の国にも栽培拠点が拡大し、100カ国以上で生産が行われています。
そんなキヌアは、栽培のしやすさと高い栄養価を特徴としていることから、2013年、国連総会により、人類が飢餓問題に直面した時、貧困から救ってくれる大きな役割に担う食品であるとのことから、「キヌア国際年」が定められました。そう、あの国連からも認められたとのことで、それを機にスーパーフードとしての世界中を騒がせはじめたのです!
90年代には、アメリカ航空宇宙局「NASA」が「宇宙食」として選ばれたことで、「21世紀の主要食」という位置付けとなりました。
日本ではまださほど大きな知名度は獲得していませんが、特に欧米では、キヌアを知らない人はいないほど、ポピュラーで一般的な食品に変化したのです。インカ文明からするときっと信じられない話ですね^^;
キヌアの栄養価編〜米や小麦と比較するどう?期待できる効果
そんなキヌアの一体何がいいのか?注目されている最大の理由は、その栄養価の高さにあります。
キヌアは栄養の塊!!
キヌアは、雑穀には珍しいほどの、タンパク質・脂質・食物繊維・ミネラルをたっぷり含んでいます!
まずはタンパク質の話。キヌアは、栄養全体の13%ほどがタンパク質と、雑穀の中ではトップクラスのタンパク質の保有率を特徴としています。
これは、一般的な白米と比較すると2倍以上ものタンパク質量となります。
キヌアは、タンパク質を構成する必須アミノ酸の全てを配合していることから、肉や魚の代替品となれるとも言われています。
タンパク質は、20種類ほどのタンパク質から構成されています。
この20種類のうちの9種類は、人間が体内で作ることが不可能であり、外部、つまりは食品から摂る必要があります。
この9種類のアミノ酸たちが「必須アミノ酸」と呼ばれるもの。
動物性のタンパク質原である肉と魚は9種類の必須アミノ酸をバランス良く配合していますが、動物性のタンパク質は、必須アミノ酸を含む量が少ない食品が多くあります。
動物性であるキヌアは、9種類の必須アミノ酸をバランス良く、必要量含んでいることから、動物性タンパク質の代替品として使うことができる万能食品と言われています。
続いて鉄分・カルシウム・マグネシウムについて。こちらも、白米と比較すると、キヌアが含む鉄分は約5倍、カルシウムは約9倍、マグネシウムは約8倍といった優秀な結果です。
特にカルシウムは、丈夫な骨を保つために必要な大事な栄養素です。キヌアを定期的に食べることで骨粗しょう症などの病気の予防をすることができます。
高濃度の亜鉛も配合していることから、冷え性などで困っている方のお助けになってくれます。
また、代謝をよくしてくれるビタミンB群、それから、血液の流れを円滑にしてくれることで、血液の老化やホルモンバランスの調整などをしてくれるビタミンEも含んでいます。
赤血球の生産をヘルプし、細胞の成熟と分裂を助けてくれる働きがある葉酸も、緑黄色野菜並みの量です。
また、妊婦さんではないけど、貧血気味の女性の方は葉酸が不足しているサインかも。キヌアライフを始めてみましょう♪
また、どの食品も一定量を含む「脂質」について。キヌアが含む脂質は、オレイン酸やリノレン酸などの不飽和脂肪酸です。これからは、悪玉コレステロールの生産を抑えてくれる役割があります。
続いて、食物繊維も豊富なので、便秘を予防することができます。
もう一つ注目できるのは、キヌアの低GI値といった特性。
ここ数年、ダイエットや健康に関わるテーマで頻繁に登場する言葉が「GI値」です。
「GI値」とは何なのか?人間は、食事をとった後、そちらに含まれていた糖分が血の中に入り込みます。血糖値が上昇する値を数値化したものが「GI値」と呼ばれます。
食後の血糖値の上昇が急激であると、血管が傷つき、糖尿病・肥満からその先の心筋梗塞や脳梗塞までと、健康に大きなダメージを与えてしまいます。
食品はGI値が高いものと低いものに分かれます。
キヌアは、GI値が極めて低い、つまりは、食べた後、急激な血糖値の上昇がなされない食品であります。
ご参考までにその他の食品と比較すると・・・
・キヌアのGI値:53
・食パン:GI値:75
・白米:GI値:73
そのことから、キヌアを食べても、脂肪がつきにくくなる=ダイエット効果が得られるということです。
それから、キヌアには、女性に嬉しい別の効果もあります。キヌアは、植物性のホルモン「エストロゲン」を含んでいますが、このエストロゲンは大切な女性ホルモンの一つです。年齢を重ねるにつれてエストロゲンが減ってきてしまい、更年期障害・乳がん・動脈硬化・骨粗しょう症などを発症するリクスが高まりますが、キヌアから「エストロゲン」を補充することで、ホルモンの値を上手にコントロールすることができます。
グルテンフリーでもある
キヌアは、グルテンを含まない食品であるため、グルテンアレルギーの人でも安心して食べることができます。
グルテンは、小麦の中にふくまれるたんぱく質のことを言います。
一般的なパンや麺は小麦で作られますが、一部の人は、このたんぱく質を摂取することでアレルギー症状が出ることがあります。
キヌアは副作用もあるの?
キヌアは素晴らしい食品だ!と思った方。デメリットはないの〜?と気になりますよね。キヌアの食べ過ぎで何かが起こる、といったことはまずありませんが、副作用として唯一あげられることは2点。
サポニンに注意!
キヌアの粒の外皮には、サポニンという物質が含まれていますが、このサポニンは、「溶血性」と呼ばれ、赤血球を壊してしまう特性があります。
キヌアの製造行程でこのサポニンはほとんどが除去されますが、それでもまれに残留してしまう場合もあります。
キヌアを調理する前には、何度も水を変えながら、しっかりと洗う必要があります。上手に洗うコツは、少量の水を入れて、キヌアの粒同士をぐっと擦り付けること!
妊婦さんはキヌアの食べ過ぎには要注意!
ちょっと前に、女性ホルモンである「エストロゲン」の話が出ましたが、妊娠を望む女性や更年期を迎える女性にとっては、エストロゲンを補充してくれるとのことで、ポジティブな効果がありますが、妊婦さんだけは要注意。
妊娠をすることで、身体のホルモンバランスが自然と変化していくため、追加の「エストロゲン」の注入は不要です。
キヌアの食べ過ぎによる胎児への影響についてはまだはっきりしたことはわかっていませんが、キヌアがもう好きで好きでたまらない!ということで、今まで毎日のようにキヌアを食べてきた人は、妊娠を機に少しだけ頻度を少なくしましょう。
キヌアのおすすめレシピ編
キヌアって素敵☆そう思っていただいたところで、では、作りましょう!食べましょう!でも、なかなか馴染みがないし、どうやって食べるの?という問題が><
キヌアは、お米に似たような食感が特徴的で(お米よりちょっと硬くぷりぷりしてるけども)、無味に近いので、ほとんど何にでも使うことができます。
キヌアは、生だと硬く、食べることができないので、まずは茹でることからスタート。キヌアの分量の3倍ほどのお湯で15分〜20分茹でれば完成です。
この茹でたキヌアは、例えば、パスタソース、ご飯にミックスして、グラタンにちょっと入れて、サラダに振りかけて、スープに入れてなど、無限となる使い方が!
ちなみに、私がいつも実践しているおすすめのレシピは以下で〜す☆
キヌア&玄米の炊き込みごはん
<<材料>>
・玄米・・・2合
・キヌア・・・大さじ2
・まいたけ・・・2パック
・鯖缶・・・1缶
・白だし・・・大さじ2
・みりん・・・大さじ2
・醤油・・・大さじ1
・水・・・適量
<<作り方>>
全ての材料を混ぜて、炊くだけ!ほっかほかの玄米&ぷりぷり食感のキヌアのバランスがよく、何倍でもお代わりできちゃいますよ♡
キヌア入りトマトソースパスタ
<<材料>>
・お好みのパスタ麺・・・100g
・キヌア・・・10gほど
・玉ねぎ・・・1/2個
・トマト缶・・・1缶
・にんにく・・・1かけ
・ローリエ・・・1枚
・塩胡椒・・・少々
・オリーブオイル・・・大さじ1
(トマトスースは市販品でもOK)
<<作り方>>
① 玉ねぎを薄切りにする。
② にんにくをみじん切りにする。
③ フライパンにオリーブオイルを入れ、にんにくをカリッとするまで炒める。
④ 玉ねぎを入れ、しんなりするまで炒める。
⑤ トマト缶とローリエを入れて、5〜6分ぐつぐつさせる。
⑥ ソースはこれで完成!あとは、別途茹でたキヌアを振りかければもう食べることができますよ〜。
キヌアは、癖が全くないため、パスタに入れても、その存在を気付かずに終わります^^笑 味を変えないものということで、とりあえず入れておくとプラスの栄養が摂れてありがたいです^^
キヌアカレー
<<材料>>
・自宅で作ったカレー
・玄米
・キヌア少々
家でいつも作るカレーにキヌアをぱらぱらとふりかけるだけ!簡単に栄養満点が実現できます◎
キヌア&かぼちゃのポタージュ
<<材料>>
・かぼちゃ・・・350g
・玉ねぎ・・・1/2個
・水・・・1/2カップ(100cc)
・牛乳・・・300ml
・キヌア・・・10g
<<作り方>>
① かぼちゃを薄切りのスライスにして、皮を剥く。
② 玉ねぎをみじん切りにする。
③ 鍋にかぼちゃ、玉ねぎ、水を入れて、15分ほど煮込む。
④ 祖熱が取れたら、③をミキサーに入れてしっかりミックス。
⑤ 鍋に移して、牛乳を加えて、沸騰するまで煮込む。
⑥ アクセントにキヌアを入れたり、かぼちゃの種を入れたりと、お好みでアレンジ♪
濃厚な、なめらか食感のかぼちゃポタージュです♡キヌアが入ることで、すこ〜しだけぷりぷり感が加わります!
キヌアサラダ
<<材料>>
・お好みの野菜
・キヌア
・お好みのドレッシング
<<作り方>>
お好みの野菜をカットして、キヌアとドレッシングを振りかけて完成。
サラダにクルトンやひまわりの種を入れたような、ちょいと独特な食感を味わうことができます。
やっぱりキヌアはいい!
キヌアがいかに栄養価的に優れていて、毎日でも食べる価値がある食材であることがわかりましたね!
日本では欧米ほどブームはしていませんが、コロナなどが蔓延している怖い世の中では、栄養バランスが優れた食品を通じて免疫をつけることが求められてきています。
大きめの規模の一般スーパーやカルディーなどの輸入食材が揃ったお店で購入することができますし、お値段も100g入りのパックで300円前後と、高級なものでもないので、気軽にお求めができるかと思います。
キヌアとはどんなものなのか?どういう味がして、どういう効果があるのか?ぜひ自身の体験で感じ取ってみてください♪