有機(オーガニック)野菜は実は害が強い?農薬が危険なのは嘘?徹底解説

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現在、有機・オーガニック野菜がちょっとした世界的ブームになっており、日本でも、有機食材メーカーや有機野菜を購入できる専門店・ネット通販が増えてきています。

有機(オーガニック)野菜と聞くと、大半の人が「健康にいい」、「安心安全な食品」、「子供に食べさせたい」などと答えますが、一方で、実は有機(オーガニック)野菜は危険だ!という意見も出回っています。

結局、有機(オーガニック)っていいの?悪いの?本当はどっち?といった気になる疑問を野菜ソムリエ・オーガニックアドバイザーの資格を持つ私がわかりやすく解説しました!

初めまして^^ 秋本マグダレナと申します!
野菜ソムリエ、野菜コーディネーター、食育実践アドバイザー、オーガニックアドバイザー、スーパーフードプランナーなど複数の資格を持つ働く2児のママです。特に有機野菜(オーガニック野菜)を好んでおり、プチ自慢は有機野菜を365日3食食べていること^^公式サイトを通じてだとなかなか解読が難しい情報を、ユーザーさんのリアル口コミと合わせて、わかりやすくご紹介します!

目次

そもそも有機(オーガニック)って何?

有機(オーガニック)野菜は危険なのか2

まずは、野菜が有機(オーガニック)と名乗るために何が必要なのか?についてご紹介します。

有機(オーガニック)野菜の定義:
① 国際的な規格有機JAS法で定められた40前後の農薬以外の農薬を使用しない(農薬=殺虫剤、殺菌剤、除草剤)
② 化学由来の肥料を使用しない(使用できる肥料は天然由来かつ化学的処理をしていないもの)
③ 栽培地の畑では単年農作物は2年、永年農作物は3以上禁止農薬と化学肥料が使用されていない
④ 種子は非遺伝子組み換えのものである
⑤ 栽培地の畑では、隣の畑からの農薬の飛散がないよう一定の間隔をあける
⑥ 年に1度有機JAS認証機関のチェックを受ける

上記の基準をクリアしていることを有機JAS認証機関が確認できた段階で、その畑は有機JAS認証を取得し、販売する野菜のパッケージにこのような有機JASマークをつけることができます。

有機(オーガニック)野菜は危険なのか16

有機JAS認証を得るまでには長い準備期間、それから費用(年間の売上にもよりますが、だいたい10〜35万)を要するということもあり、日本ではまだまだ有機農家さんが少ないのが現状です。(日本での有機栽培の野菜は野菜市場全体のわずか0.3%!)

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有機(オーガニック)野菜は本当は健康によくない?

有機(オーガニック)野菜は完全無農薬ではない

よく誤解されるのが「有機(オーガニック)野菜=無農薬である」ということですが、実はそうではありません。有機(オーガニック)野菜でも一部の有機JAS法によって厳選された40種類前後の農薬は使用することができるのです。

農薬には化学的に合成された農薬と天然由来である農薬の2種類が存在しますが、有機栽培時に使えるのは天然農薬。除虫菊からなる殺虫剤や生石灰、食酢などがそれにあたります。

ただし、有機栽培において、40種類中の何種類の農薬が使われたのか、何回撒かれて、農薬の濃度がどれくらいになったのかについては生産者さん任せ。つまりは、完全無農薬でも、マックスの40種類を使用した場合でも、同じ「有機(オーガニック)野菜」として表示ができてしまうのです(パッケージには詳しい栽培情報はもちろん記載されていません)。

有機(オーガニック)野菜は危険なのか1

有機(オーガニック)野菜が危険だ!と主張する人の多くは、まさにこの、40種類前後の農薬が使いたい放題であるといったところを指摘されるケースが多いようです。農薬は種類だけではなく、どれくらいの量を使ったのかによって、作物を食べた人間への危険性が前後するのでは?という意見です。

いわゆる、有機(オーガニック)野菜でも、許可範囲内でめちゃくちゃ大量に農薬を使ってしまったらそれはもちろん危険の分類に入ってしまうことが恐れられています。それが天然由来=安全と判断された農薬だったとしてもです。

有機栽培には化学肥料は使えないけど天然肥料が必ずしも安全とも言えない

野菜を栽培するにあたり必要不可欠なのは土に混ぜ込む肥料。肥料は、農産物が育つのに必要とされる三大栄養素:リン酸、窒素、カリウムの吸収を助けてくれる、野菜にとっての栄養剤です。

肥料には化学肥料と有機肥料の2つが存在します。

  • 化学肥料:鉱物などの無機物を加工したもの
  • 有機肥料は動物/植物由来のもの:牛・鶏糞、魚粉、油粕など

なお、有機(オーガニック)野菜には、化学肥料は使用できず、有機肥料のみ使えます。

牛糞や魚粉などと聞くと、完全天然のものだしいいじゃないか?と一見思われがちですが、実は有機肥料にも問題があるのです。

一つは、有機肥料を作る際、十分に発酵させる必要があるのですが、発酵が不完全であった場合に、サルモネラ菌や0-157などを発生させてしまう可能性があることです。

もう一つは、有機肥料に使われた動物の糞に関係しています。動物が、遺伝子組み換えの原料や農薬を使われて栽培された原料を食べて生活していた場合、それらの残留が糞に現れ出ることがあるのです。

最後に、野菜は、肥料を通じて、人間の体内にガンができてしまう一つの原因ともなる硝酸性窒素を発生させます。硝酸性窒素は化学肥料であっても、有機肥料であっても同様に発生するのでは?と疑われているのです。

種子は有機でなくてもいい

作物を作るにあたり原点となるのは種です。有機栽培の場合、こちらの種は、遺伝子組み換えのものは禁止されていますが、有機の種子でなくても良いという基準があります。種を育てあげる際にどんな種類の農薬がどれくらい使われれたのか、については問われません。

有機(オーガニック)野菜はデメリットだらけ?実はメリットのほうが多かった!

上記を読むと、え・・・?なんで高いお金を払ってまで有機(オーガニック)野菜にこだわるの?オーガニックファンはバカなんじゃないか?と思ってしまいますよね><

一見、有機(オーガニック)野菜はデメリットだらけ!と感じられてしまいますが、別の側面を見ると、メリットのほうが圧倒的に多いことがわかります。

完全無農薬ではないけどやっぱり慣行栽培の野菜より農薬の使用量は少ない

有機(オーガニック)野菜=無農薬ではないということが本記事を通じておわかりになったかと思いますが、慣行野菜(スーパーなどで市販されている野菜)と比較して、次のような違いがあります。

  • 慣行栽培の野菜:4000種類の農薬を無制限に使用
  • 有機栽培の野菜:40種類のみの農薬を使用

今の時代、完全無農薬=100%安心安全と呼べる食品はありません。なので、有機(オーガニック)野菜=絶対安全、ということは期待ができません。しかし、より安全である、といった側面を持っているのは有機(オーガニック)野菜であると考えることができます。

有機(オーガニック)野菜のほうが硝酸の値は圧倒的に低い

先ほど、有機栽培時、有機肥料を使った場合でもガンの元となり得る硝酸性窒素が発生するという話がありましたが、有機(オーガニック)野菜のほうが硝酸値は圧倒的に低いのです。

私は、有機(オーガニック)野菜と慣行栽培のほうれん草を使って硝酸値を比較した実験を行ったことがありますが、結果は下記のようになりました。

  • 一般野菜は4,200mg
  • 有機野菜は2,000mg

有機(オーガニック)野菜の硝酸値は半分以下、ガンなどの病気を患う可能性も抑えられる効果が期待されます。かなり厳しいと言われているEUの食品基準が、人間の身体へ影響が現れると推測される硝酸値を野菜ごとに設定しています。ほうれん草は3,500mgが上限。日本で出回っているほうれん草は、実験でもわかりましたが、安全基準を軽々と超えてしまっていました。

野菜は、その特性から硝酸値を0にするのは不可能です。しかし、有機野菜のほうが圧倒的に硝酸値が低いといったことを数字を通しておわかりいただけたのではないでしょうか。

ほうれん草の実験についてより詳しく読む

有機(オーガニック)野菜のほうが栄養価が高く、味も美味しい

化学農薬や化学肥料を使って栽培された野菜は、野菜の基本的な栄養素である窒素、リン、カリの3つを含んでいます。しかし、天然由来の農薬と有機肥料が使われた有機野菜には上記以外にもビタミン、ミネラル、ポリフェノールなど、より多くの栄養素が含まれています。

なぜこんな違いがあるのか?野菜は、その栽培期間中、病気や虫から身を守るために防御物質を出します。農薬を使った場合、野菜が自ら戦うのではなく、外部要因がてっとり早く病気と虫を駆除してくれるので、防御物質を発生させなくなりますが、まさにこの防御物質を通じて先ほどのミネラルやポリフェノールが作られるのです。

それから、栄養素が多いというところから、有機(オーガニック)野菜のほうが味が濃厚・複雑・旨味が強いということがあります。

有機(オーガニック)野菜と慣行栽培の野菜を食べ較べてみると、比較にならないほどの味の差があることがわかります。美味しく、栄養価が高い野菜を選びたい場合には有機(オーガニック)野菜を選んでみてください。

有機(オーガニック)野菜は環境にやさしい

最後に、少し環境汚染の話。化学肥料を使うことで、土壌に影響がでること。野菜の栽培時、化学肥料は水に溶けやすい特性を持っているため、大半は土壌を通じて下に流れ、地下水へと浸透します。その地下水は追って湖・川に流れ出て、そのに住む魚な微生物たちに悪影響を及ぼしてしまいます。

1940年代、アメリカで、地下水を粉ミルクに溶かし、赤ちゃんにあげたところ、酸欠状態に陥った赤ちゃんが2,000人以上報告され、そのうちの7%は亡くなってしまいました(ブルーベビー事件)。汚染された地下水は時には人間にも悪影響を及ぼすのです。

このような痛ましい事件に繋がらないよう、農薬の使用については「農薬取締法」という法律で制限がされています。(※農林水産省「農薬取締法について」)

また、SDGsの観点からも有機野菜は注目されています。有機農業は、化学肥料や農薬を使用せずに栽培を行うため、土壌汚染や水質汚染のリスクが低く、自然環境を保護することができます。また、有機農業による作物栽培は、二酸化炭素排出量を減らすことができるため、地球温暖化を抑制することにもつながるのです。

【参考】農林水産省
トピックス1 食料・農業・農村とSDGs(持続可能な開発目標)
17の目標と食品産業とのつながり

有機(オーガニック)野菜の真実まとめ

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本記事では、有機(オーガニック)の定義をご紹介させていただいたとともに、有機(オーガニック)だからといって100%安全!ということではないことを立証させていただきました。

この世にあるどんな食材でも100%安全とは言いきれません。なので、結局、消費者の私たちにできる唯一のことは「より害の少ないであろう食材を選ぶ」といったこと。

そのためには、食に興味を持ち、情報を自ら探し出すことも大切な視点です。何事も批判的に捉え(クリティカルリーディング)、どのファクトにも良い側面と悪い側面があることを忘れないことが重要と言えるでしょう。知らないと選ぶことすらできない、無知こそが危険なのです。

最後に、題目で問われた「有機(オーガニック)野菜は危険?」への私の回答はシンプル。有機(オーガニック)野菜は100%安心安全ではありませんが、慣行栽培の野菜と有機(オーガニック)野菜がスーパーに並んでいたらどちらを選んだほうがいいのか?に関しては、私は迷わず有機(オーガニック)野菜を購入します。

農薬の使用の側面だけではなく味や栄養価の高さも有機(オーガニック)野菜のほうが圧倒的に優れているので、より安心して、美味しく、効率的に栄養を摂ることができるといった点が私が有機(オーガニック)野菜を高く評価している最大の理由です。

手軽に有機(オーガニック)野菜を購入できる手段は通販

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有機(オーガニック)野菜は、一部のスーパーでも購入できる場合もありますが、その種類は少なく、購入できる店舗も限られています。日常の食生活を変えるには少々ハードルが高いでしょう。

そこで、有機(オーガニック)野菜を効率よく調達するには、有機野菜宅配サービスを利用することをおすすめします。

日本には現在30社以上もの有機野菜宅配サービスがあります。中には、自らを「有機宅配」と呼んでおきながらも、ふたを開けてみると有機野菜はほとんど取り扱っておらず、9割が減農薬であるということもありました。

有機野菜でも、農薬があまり使われていない野菜たちを選ぶためには、信頼できる野菜宅配サービスと農家さんを選定する必要があります。

ほとんどの会社が、初回限定でお試しできる「お試しセット」を低価格で販売していたりもするので、まずは何社かお試しセットを取り寄せてみて、野菜の味や産地、農家さんの特徴などを比較して、自身に最も合う野菜宅配を見つけることをおすすめします。

有機野菜を扱う安全性が高い野菜宅配サービスのお試しセット

  1. 大地を守る会のお試しセット
  2. ビオマルシェのお試しセット
  3. らでぃっしゅぼーやのお試しセット

有機、無農薬、減農薬、低農薬、自然栽培野菜の違いを解説!
農薬の危険性を徹底解説!

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野菜宅配まとめ-野菜人.com編集部
野菜人.com編集部は、野菜ソムリエやオーガニックアドバイザー、管理栄養士などの「食」の専門家が情報の精査を行っています。本当においしい食材やオーガニック野菜、無添加食品、実際に体験した便利な宅配サービスを調査し、有機野菜の基礎知識、サービスの選び方や客観的な比較、お得な情報を分かりやすく解説します。