「キャロブ」(carob)という食品について耳にしたことはありますか?
日本ではまだキャロブの存在を知らない人がほとんどなのではないかと思いますが、実はこのキャロブ、超絶に美味しくかつ高栄養のスーパーフードなのです!
とは言っても、キャロブってそもそもどこで手に入るの?馴染みがない食材をどう使うのかわからない・・・そんな方向けに、キャロブの基礎知識:栄養価・効能やおすすめの食べ方をスーパーフードプランナーであるフードブロガー「野菜人」がご紹介します!
もくじ
スーパーフードに認定されたキャロブ(carrob)とは?
まずは、キャロブという謎めいた存在について少々解説をさせてください。
キャロブは地中海出身の豆
キャロブは、マメ科に属する植物。日本語名は「イナゴマメ」です。
木の実の形で成っており、写真のようなサヤのような見た目をしています。
サヤの中には豆が入っており、食用はこちらの豆の部分となります。
キャロブの由来は、古代エジプトにあり、当時から天然の甘味料としての役割を担っていました。当時はまだ砂糖が知られていなかったため、貴重な甘味料でありました。
キャロブについては、聖書にも記載があります。洗礼者ヨハネが砂漠を旅している最中に、はちみつをキャロブのタネを合わせた食品を食べたという話が出てくることから、「聖ヨハネのパン」とよばれています。
キャロブは、暖かい環境を好んでおり、最も大きな生産地は地中海の沿岸(スペインやイタリア)であり、他にもアメリカ、メキシコ、南アフリカ、インド、中近東などでも見られます。
お味は?
キャロブは、見た目・味ともに、よくココアと比較されています。
最もポピュラーな形状は、粉末タイプとなりますが、ココアパウダーのようなさらさらした茶色いものとなり、香りも、ココアパウダーをより香ばしくしたような感じ。
さらに、味わいも、少しだけ苦味を加えたココアのようなイメージ。
ココアが飲料やお菓子などに使われているように、キャロブも天然の甘味料として、料理・スイーツ・ドリンクに活用されることが多め。
また、ココアには、カフェインが含まれていますが、キャロブはカフェインレスであり、かつカロリーも低いため、ダイエット中・カフェインを控えたい小さな子供や妊婦さんなどにも優しい食品です。
個人使用以外には、「増粘剤」(ゲル化剤)のかたちで食品添加物としても大々的に使われています。
キャロブは何より高栄養!
キャロブの何よりの売りは、もちろん、美味しさや低カロリーもありますが、栄養価が高いスーパーフードであるところにあります。
最も多く含んでいるのは、カルシウム、鉄、食物繊維、ビタミンです。どれも、不足することで、骨や歯が弱くなったり、貧血に陥ったり、基礎代謝が下がったり、便秘がちになってしまったりなど、様々な身体の不調やその先には病気に繋がります。
なお、キャロブについて語る際に特に注目したいのは、ビタミンBの一種である「ピニトール」。なかなか聞きなれないこの栄養素は、身体の中では「カイロイノシトール」と呼ばれる成分に変わり、血糖値をさげる・肝機能をあげる・身体の冷えを防止する・炎症を緩和させる・生理痛を抑えるなどの働きをします。
キャロブの形状
キャロブは、サヤに入った豆の見た目をしていますが、こちらは生では食べられず、加工された状態で販売されます。
一般的に市場で見ることができるのは、「パウダータイプ」、「チップスタイプ」、「シロップタイプ」の3種類です。
① キャロブパウダー
最も多く出回っているのが、パウダータイプのキャロブです。サヤを焙煎して、粉に仕上げて作られます。
キャロブパウダーの特徴は純度が高い=他のタイプを比較して栄養価が高いこと。
難点は、鉄分含有量が多いことから、ココアよりやや苦目?そのままだと美味しくはないので、お菓子やドリンクに使う時には砂糖を一緒に加えるとよしです。
② キャロブチップス
チップスタイプは、油脂と糖分と一緒に焼いて、固めて作られます。
油を使っていることから、粉末を比較してカロリーが高く、熱で一部の栄養素がやられてしまうので、純度も少し低くなります。
メリットは、パウダーより苦味が少なく、食べやすいこと。
ヨーグルトやグラノーラなどと一緒に食べたり、クッキーやケーキ作りなどに向きます。
③ キャロブシロップ
キャロブシロップは、キャロブの果実から抽出された油です。
蜂蜜やメープルシロップなどの代替品としての役割を担うキャロブシロップは前者と比較すると、甘味&苦味のバランスが整った、優秀な甘味料となります。
ヨーグルト、飲み物、料理(シースやドレッシングなど)などに幅広く使えます。
キャロブは高級品?
キャロブのお値段は?高い?安い?気になるところですよね!
もちろん、メーカーにもよりますが、ざっくりなイメージは、キャロブパウダーが1パック(※100gあたり)150円ほど、キャロブチップス1パック(※100gあたり)500円ほど、キャロブシロップ小瓶(※150gあたり)1,500円ほどです。
ココア、蜂蜜、メープルと比較するとちょいと高めではありますが、手が出ないほどではありません。
どこで買える?
キャロブの名前を知れたところで、よし探してみよう!と気合を持ってスーパーを一回りしても、なかなか見当たらない・・・そうなんです、一般スーパーではなかなか手に入らないのがキャロブの残念なところなんですよ。
一般スーパーはもちろんこと、輸入食材店などでも稀な一品です。
おすすめの購入場所は通販。アマゾンや楽天で常に出品されているので、ぜひチェックしてみてください。
キャロブのおすすめの食べ方・レシピ
料理、スイーツ、ドリンクに幅広く使えるキャロブですが、私が日頃から愛用しているおすすめレシピ3選をご紹介させてください☆
【おすすめレシピ①】キャロブラテ
材料(※一人前)
・牛乳または豆乳・・・150ml
・キャロブパウダー・・・大匙1
・蜂蜜・・・大匙1
作り方
牛乳(豆乳)を温めて、キャロブパウダーと蜂蜜を入れて、全部混ぜるだけ!だまができやすいので、じっくりじっくり混ぜるのがポイントです(泡立て器を活用すると便利)☆
ココアとはまたちょっと違うほんのりとした苦味&甘味のナイスなバランスを感じることができます。
また、キャロブは豆乳とも相性よし♪牛乳ではなく豆乳を使うことで、たんぱく質も一緒に摂れてナイスです^^
【おすすめレシピ②】キャロブスコーン
材料(※小スコーン6個作れます )
・小麦粉:100g
・キャロブパウダー:大匙1
・ベイキングパウダー:小匙1/2
・絹豆腐:50g
・林檎ジュース:25ml
・メープルシュガー:25g
・塩:2摘み
・油:25ml
・アーモンドフレーク:20g
・バナナ:1/2本
作り方
1. バナナを薄切りスライスする。
2. ボウルに全ての材料を入れ混ぜる。
3. 180度に予熱したオーブンで25分焼く。
外カリッカリ中ふわっふわな絶妙な食感のスコーンです♡
甘味がだいぶ控えめで、スイーツというよりブレッド?コーヒーと合わせた朝ごはんにすると満足度高めです!
【おすすめレシピ③】キャロブクッキー
材料(※小クッキー12個作れます)
・オートミール:100g
・キャロブパウダー:10g
・小麦粉:20g
・豆乳:大匙3
・油:大匙1
・メープルシュガー:10g
・キャロブパウダー・・・10g
作り方
ボウルに全てをインしてさっくりと混ぜてから、均等な平べったい丸に形成して、180度のオーブンで15分焼く。
め〜っちゃ簡単です!お味は、さっぱり!砂糖をちょこっとした使わないことで、キャロブ自体の甘味&苦味を楽しむことができます。クラッカーのような歯ごたえで、小腹が空いた時などにはもう最高♪
食物繊維たっぷりオートミールもふんだんに使われいるヘルシーな自家製お菓子です^^
ヘルシーライフのために是非キャロブを!
以上が、スーパーフードプランナーがお伝えするキャロブに関する基礎知識でした!少しでもキャロブについて関心を持っていただけましたでしょうか?
人間は食べるものでできています。高栄養のスーパーフードを積極的に取り入れることで、効率の良い食生活を実現することができます。
鉄分、カルシウム、ビタミン、食物繊維が豊富なキャロブもぜひ食生活に加えてみてくださいね^^
特に、カフェイン制限のある妊婦さんや幼児、カフェインアレルギーなどの人にはおすすめです!