SDGs(Sustainable Development Goals)とは、2015年に国連加盟国全員が採択した持続可能な開発目標のことです。これは、2030年までに貧困や格差、気候変動などの問題を解決し、より持続可能な世界を実現するための17のグローバル目標です。
今回は、食材宅配・野菜宅配サービスがどのようにSDGsに貢献するかを解説し、実際にSDGsに取り組む食材宅配・野菜宅配サービスについてご紹介します。
目次
- 食材宅配・野菜宅配サービスがSDGsに貢献できること
1-1.SDG 2「飢餓をゼロに」に貢献
1-2.SDG 3「すべての人々の健康と福祉を確保し、健康的な生活を促進する」に貢献
1-3.SDG 12「つくる責任、つかう責任、捨てる責任」に貢献
1-4.SDG 13「気候変動に具体的な対策を講じる」に貢献 - 食材宅配・野菜宅配サービスの有機農家への支援
2-1.有機農家との直接取引
2-2.自社農園の設立
2-3.生産者との情報共有
2-4.有機認証取得支援 - SDGsに取り組む食材宅配・野菜宅配サービス3社
3-1.オイシックス・ラ・大地
3-2.ビオマルシェ
3-3.生活クラブ - まとめ
1.食材宅配・野菜宅配サービスがSDGsに貢献できること
食材宅配や野菜宅配サービスがSDGsに貢献することは、いくつかあります。たとえば、以下のような点が挙げられます。
1-1.SDG 2「飢餓をゼロに」に貢献
食材宅配や野菜宅配サービスは、安全で栄養価の高い食品を提供し、地域社会の食料安全保障に貢献します。また、無駄のない生産・流通システムによって、食料ロスの削減にもつながります。
1-2.SDG 3「すべての人々の健康と福祉を確保し、健康的な生活を促進する」に貢献
食材宅配や野菜宅配サービスは、栄養バランスに優れた食品を提供することで、健康的な生活をサポートします。また、生産者との直接取引によって、生産者の健康や福祉の向上にもつながります。
1-3.SDG 12「つくる責任、つかう責任、捨てる責任」に貢献
食材宅配や野菜宅配サービスは、パッケージや容器のリサイクルなど、環境に配慮した配送方法を採用することで、廃棄物の削減に貢献します。
1-4.SDG 13「気候変動に具体的な対策を講じる」に貢献
食材宅配や野菜宅配サービスは、地産地消や低炭素な流通システムを採用することで、二酸化炭素排出量を削減することができます。
2.食材宅配・野菜宅配サービスの有機農家への支援
食材宅配・野菜宅配サービスが取り組む有機農家支援について、以下に代表的な取り組みを紹介します。
2-1.有機農家との直接取引
有機農家と直接取引をすることで、中間業者を省くことができます。これにより、農家の収益が増え、消費者にもより安価で高品質な有機野菜が提供されます。
2-2.自社農園の設立
一部の食材宅配・野菜宅配サービスでは、自社農園を設立して自社で野菜を栽培することで、有機農家をサポートしています。自社農園での野菜栽培により、商品の安定供給が可能になるため、有機農家の生産量拡大や収益向上につながります。
2-3.生産者との情報共有
食材宅配・野菜宅配サービスでは、生産者との情報共有が重要です。生産者からの情報を受け取り、それに基づいて商品の品質管理を行うことで、生産者との信頼関係を築くことができます。また、生産者からの情報を顧客に伝えることで、顧客の食育や環境保護意識を高めることもできます。
2-4.有機認証取得支援
有機農家は、有機野菜の栽培には高い技術と費用が必要です。食材宅配・野菜宅配サービスは、有機認証取得支援を行うことで、有機農家の負担を軽減します。有機認証を取得することで、有機農家の商品の信頼性が高まり、消費者にも安心して購入してもらえます。
3.SDGsに取り組む食材宅配・野菜宅配サービス3社
SDGsと食材宅配・野菜宅配サービスは非常に相性がよく、各社では様々な強みを活かして持続可能な社会に向けて貢献しています。ここでは、特に業界内でも先進的な取り組みを行っている企業3社をご紹介します。
3-1.オイシックス・ラ・大地
オイシックス・ラ・大地は、食材宅配サービスの「オイシックス」「大地を守る会(大地宅配)」「らでぃっしゅぼーや」を提供している会社です。SDGsの課題に対しても率先して取り組んでおり、業界内でも先進的なグリーンシフト施策を打ち出しています。具体的には下記の5つです。
- オイシックス・ラ・大地独自のグリーン基準導入の検討開始
- 配送車のグリーンエネルギー実証実験の開始
- 商品パッケージのさらなるグリーン化
- 従来のフードロス削減の取り組み強化
- フードロスに繋がる商品開発で新しい価値の提供
特に注視されるポイントは、「商品パッケージのさらなるグリーン化」です。食材宅配サービスでは、配送で使用されるパッケージがしばしば環境負荷の課題として取り上げられることがあるためです。
オイシックス・ラ・大地では、取り扱っている商品における包装の50%以上を、今後5年以内に環境対応素材に変更することを目指しています。過去の実績としては、オイシックスの「Kit Oisix」に使用されるパッケージ(外袋)を従来のプラスチックから、地球に優しい植物由来プラスチック(バイオマスフィルム)に切り替えが行われました。
オイシックス・ラ・大地は業界内でも率先してSDGsに取り組む企業として非常に注目されています。
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3-2.ビオマルシェ
ビオマルシェを運営する株式会社ビオ・マ―ケットは、1983年の創業以来、約40年に渡り、「有機農業を広げていくことが、自然環境に配慮した持続可能な社会をつくり、食べる人々の豊かな暮らしをつくる」というポリシーのもと、事業活動を行ってきています。
特に注力しているポイントとしては、「有機農業の普及」という視点です。具体的には下記の対策を行っています。
- 有機農業の生産者支援・品質向上の取り組み
- 取扱商品へのこだわり
- お客様と生産者をつなぐ機会の提供
- 産学連携の推進
- 関係団体との協力による有機農業の認知度向上への取り組み
ビオマルシェならではの取り組みとしては、「有機農業の生産者支援」という点が注目されています。有機JASの取得には非常に高いハードルがあり、実際に有機農業を行っている農家でも、費用や負担の大きさから取得が難しいという現状があるためです。
有機農家の支援は、農林水産省の「有機農業推進総合対策事業」として推し進められている政策の一つでもあります。民間の食材宅配企業であるビオマルシェが率先して支援しているという点は、他の事業者にはない取り組み事例と言えるでしょう。
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3-3.生活クラブ
生活クラブでは「つながるローカルSDGs」をテーマに、食の国内生産を持続可能にするための活動を行っています。生活クラブの具体的な取り組み内容としては下記です。
- 耕畜連携の取り組み
- 生産する消費者運動
- 水を守るせっけん運動
- グリーンシステム
- 再生可能エネルギー
- ともに働くをつくる
- 地域で支えあう仕組みづくり
生活クラブの他の事業者にはない特徴的な取り組みとしては、庄内地域における「ローカルSDGs」のネットワークづくりです。庄内地域には生活クラブと提携する米や青果、豚肉などの一次産品とその加工品の生産者が大勢参画しており、1974年から毎年、組合員約70名が庄内の各種生産現場を訪れて学ぶ「庄内交流会」を実施しています。
このようなネットワークを背景に、現在では庄内地域の自治体も一緒になって「食(Food)」、「エネルギー(Energy)」、「福祉(Care)」を可能な限り庄内地域で自給し、連携しながら持続可能な社会づくりを目指す「庄内FEC自給ネットワーク構想」を推進しています。
生活クラブの「つながるローカルSDGs 庄内地域篇」
まとめ
SDGsは、2015年に国連加盟国全員が採択した17のグローバル目標であり、2030年までに貧困や格差、気候変動などの問題を解決し、より持続可能な世界を実現することを目指しています。
今回の記事では、食材宅配・野菜宅配サービスがどのようにSDGsに貢献するかについて説明し、実際にSDGsに取り組む食材宅配・野菜宅配サービスについて紹介しました。
SDGsに貢献しているサービスを率先して選びたい方、自身でもSDGsの取り組みについて何かアクションを起こしたい方の参考となれば幸いです。