普段の買い物の際に、できるだけ環境や人に配慮した商品を選びたいと考えている方も多いでしょう。
「エシカル消費」は私たちが環境問題や社会問題を考え、解決の手助けをするきっかけにもなります。商品を提供する企業にとってもエシカルな視点での食品の生産や販売の重要性が高くなっているのです。
エシカル消費のなかでもエシカルフードの購入は誰にでも手軽に始められます。この記事では今すぐに取り入れやすい8つのエシカルフードをご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
- エシカル消費とは「倫理的な」消費のこと
- 代表的な3つのエシカルフードの認証マーク
2-1.有機JAS認証マーク
2-2.フェアトレード認証マーク
2-3.レインフォレスト・アライアンス認証マーク - 毎日の生活に取り入れやすいエシカルフード8選
3-1.オーガニック(有機)野菜や無農薬野菜
3-2.平飼い卵
3-3.バナナ
3-4.代替ミルク
3-5.コーヒー
3-6.チョコレート
3-7.旬の野菜や果物
3-8.地元産の野菜や果物 - まとめ
1.エシカル消費とは「倫理的な」消費のこと
英語のエシカル(ethical)という言葉には、「倫理的」「道徳的」という意味があります。この意味をふまえた「エシカル消費」とは地球や社会にやさしい消費活動のことで、環境や人、そして動物にも配慮してモノやサービスを消費する必要があるのです。
具体的なエシカル消費には、「過剰包装した商品をさける」「障がい者の作ったものを購入する」「カーシェアリングを利用する」「必要な量だけ購入する」「認証マークのついた商品を選ぶ」などさまざまあります。モノやサービスを購入するという視点に限っても多くの行動ができますので、この機会にエシカル消費に目を向けてみませんか。
2.代表的な3つのエシカルフードの認証マーク
エシカル消費のなかでも取り組みやすいのが、毎日の生活にエシカルフードを取り入れることです。しかし、エシカルフードを取り入れたいけど、何があてはまるのか分からないという方もいるでしょう。ここではスーパーなどでもよく見かけるエシカルフードに関連する認証マークをご紹介します。
2-1.有機JAS認証マーク
有機JAS認証マークは、太陽と雲と植物をイメージしたマークです。農薬や化学肥料などに出来るだけ頼らず、太陽の光や水・土など自然の力で生産された農産物や畜産物・加工食品などに表示されています。
2-2.フェアトレード認証マーク
フェアトレード認証マークは、青色と緑色の真ん中で人が片手をあげた図柄です。開発途上国の生産者や労働者の支援につながります。コーヒーや紅茶・チョコレート・フルーツ・スパイスなどに表示されています。
2-3.レインフォレスト・アライアンス認証マーク
レインフォレスト・アライアンス認証マークは、緑色のカエルの図柄のマークで、自然環境と生産者の両方に配慮した持続可能な農業に取り組んでいる農園の証です。コーヒー・紅茶・バナナ・チョコレートなどに表示されています。
その他のエシカル消費に繋がる認証マーク
このほかにも、コーヒーのパッケージに表示されている「バードフレンドリー®コーヒー認証マーク」や、持続可能な漁業に関する海のエコマークと言われる「エコマークMSC認証マーク」、適切に管理された水産物の養殖に関する「ASC認証マーク」など複数存在します。
エシカルフードには必ずしも認証マークが必要なわけではありませんが、購入する際のひとつの目印にしてみると良いでしょう。
3.毎日の生活に取り入れやすいエシカルフード8選
ここからは、おいしくて毎日の生活に取り入れやすい8つのエシカルフードとさまざまな企業の取り組みをご紹介します。次回の買い物の際のご参考にしてください。
3-1.オーガニック(有機)野菜や無農薬野菜
オーガニック(有機)野菜や無農薬野菜は、化学肥料や農薬をほぼ使わずに育てているので、土壌や水質を汚染せず環境や人にも優しく、野菜本来の味を楽しめます。毎日の食事に取り入れたいエシカルフードのひとつです。
栽培に手間がかかるためスーパーで販売されている慣行野菜より価格が高くなりますが、化学肥料や農薬の制限が厳しく、安心して食べることができます。近隣のスーパーで取り扱っていなければ、オーガニックや無農薬の野菜の食材宅配サービスを利用する方法が便利です。
例えば、有機野菜を専門に扱う野菜宅配サービスとしては、オイシックス・ラ・大地が提供する「大地を守る会」があります。数ある食材宅配サービスの中でも、大地を守る会は有機野菜(オーガニック)、低農薬野菜、無農薬野菜や自然食品に強みがあり、日本全国に宅配が可能になっています。
その他、「ビオマルシェ」は100%オーガニック宣言を掲げており、販売している野菜は全て有機野菜となります。国内の有機農産物の割合が0.24%である中で、その10%がビオマルシェの野菜なので、有機野菜・オーガニックへのこだわりが強い方にとっては嬉しいサービスです。また、野菜宅配歴30年と深い歴史もその大きな特徴です。
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3-2.平飼い卵
平飼い卵は、鶏が鶏舎や敷地内を自由に歩き回ってストレスの少ない自然な姿で暮らしており、アニマルウェルフェア(動物福祉)の考えにもあてはまります。遺伝子組み換えではない飼料を使うなど、エサにもこだわって育てている養鶏場もあるほどです。
例えば、大手スーパーのイオンの「TOPVALU(トップバリュ)」や、ライフの「BIO-RAL(ビオラル)」ではプライベートブランドに平飼い卵があります。みなさんが普段買い物をしているスーパーでも、平飼い卵を取り扱っているかもしれません。
3-3.バナナ
バナナは手軽に食べられて間食や軽い食事代わりにもなるので、わたしたちに馴染みの深い定番の果物です。スーパーには何種類ものバナナが並んでいますが、パッケージにレインフォレスト・アライアンスやオーガニックの認証マークなどが印字されたバナナを購入したことがある方もいるでしょう。
果物の生産や販売をしているドールでは、必要な量だけ購入できてプラスチックごみを削減するための「量り売り企画」を実施している店舗があります。購入する際は生産者や環境にやさしいバナナを選んでみてはいかがでしょうか。
3-4.代替ミルク
代替ミルクには、オーツミルクやアーモンドミルク・豆乳・ライスミルクなどたくさんの種類があります。牛乳は牛が出すメタンや、飼料の生産中に出る温室効果ガスなど環境負荷が高いため、代わりとなる代替ミルクが注目されています。
スターバックスコーヒーでは牛乳の代わりにアーモンドミルクやオーツミルク・豆乳をカスタマイズでき、ドトールコーヒーでは豆乳ラテや豆乳ティーなどのメニューがあります。
スーパーでも以前からある豆乳以外にも、アーモンドミルクやオーツミルクを置いているお店が増えてきました。原料はそれぞれ異なりますので、アレルギーがある方や添加物が気になる方はパッケージの原料欄をチェックしてお好みの代替ミルクを見つけてください。
3-5.コーヒー
コーヒーはエシカルフードのなかでも私たちの生活に溶け込んでいるものの1つです。知らないうちにエシカルなコーヒーを飲んでいる方も多いでしょう。
エシカルなコーヒーを取り扱っている企業は多く、カルディコーヒーファームではバードフレンドリー®ブレンドなどを販売しています。ローソンの「MACH Icafe(マチカフェ)」のコーヒーはレインフォレスト・アライアンス認証農園産のコーヒー豆のみを使用しています。
このほかにもUCCや小川珈琲など、さまざまな企業がレインフォレスト・アライアンス認証やフェアトレード認証・オーガニック認証などエシカルなコーヒーを仕入れているのです。
エシカルなコーヒーを選ぶことは、私たちが将来もおいしいコーヒーを飲み続けられることにもつながります。
3-6.チョコレート
日々のご褒美におすすめしたいエシカルフードはチョコレートです。フェアトレードのチョコレートは基本的にオーガニックでもあることが多く、人にも環境にも配慮されています。
日本では秋冬の季節限定で販売されるピープルツリーのチョコレートが有名です。森永ではカカオを生産する国の教育環境の改善や、児童労働問題への取り組みを支援する「1チョコ for 1スマイル」活動をしています。チョコレートをおいしく味わうことが生産国の支援になっています。
3-7.旬の野菜や果物
旬の野菜や果物もエシカルフードと言えます。旬の農産物は、季節外れの野菜のようにハウス栽培をして余分なエネルギーを使うことが少なく、農薬も比較的少なくてすむため環境にもやさしいのです。
お店に並んでいる野菜や果物で季節の移り変わりを感じられ、毎日の生活が少し豊かになり、旬の野菜は栄養価が高いと言われています。
たとえば春が旬のタケノコは、多くの人が食べるようになると生産地の山が手入れされるようになり、地域にも好循環を生み出します。スーパーで多種類の農産物を一年中買えることは幸せなことですが、その時期だから採れる旬の野菜や果物を選んでみましょう。
旬野菜を手軽に毎日の食卓へ加えるには「食べチョク」のような、産地直送の野菜宅配サービスが便利です。通常、野菜が生産者から私たちまで届くルートは、JA→全農→卸売→お店となりますが、食べチョクの直売所の場合は、これら全てを省き、独自のルートを経由して届く仕組みとなっています。
3-8.地元産の野菜や果物
地元産の野菜や果物もエシカルフードです。地元でとれた農産物が近隣で消費されれば、遠方に運ぶ必要がないためガソリンなどのエネルギーの節約につながります。
近年はスーパーに地元産農産物のコーナーがあったり、ショッピングモール内に近隣の農産物を取り扱っている店舗があることも増えてきました。いつも食べているものが地元の特産品だったと気が付くこともあるでしょう。地元の農産物を食べることは生産者の利益になり、地域が活性化するきっかけにもなるのです。
まとめ
エシカル消費をするために無理をするのではなく、できることから実践してみましょう。
今回ご紹介した8つ以外にもエシカルフードはたくさんあります。まずは出来る範囲から、毎日の生活のなかで少しずつ取り入れてみると良いでしょう。ひとりひとりが少し行動を変えることでも、たくさんの人がエシカル消費に参加することで大きな成果に繋がっていきます。